子どもが小学校を卒業しました。
多くの役員を引き受け、多くの経験、体験をしました。
きこりの
ディープな役員生活は今後は無くなり、積極的に役員を引き受けることはありませんし、基本的に辞退をしていく予定です。
つまり、役員活動卒業宣言。
地域性やメンバーにもよりますが、うまくいった年は、役員が終わった後も、良い縁として引き続き仲良くやっていくことができます。
きこりの
PTA役員の当事者や、役員をまとめる立場も経験した私が感じたことや、役員をなるべくストレスなしで過ごしていくコツをお伝えします。
誰かの悩みの解決の糸口になれば幸いです。
私の所属した学校では「PTA」という表現は使いませんが、ここではわかりやすく「PTA」と表現します。
目次
私のPTA役員歴
最初に、私のPTA役員歴です。
- 保育園・・・2年間
- 幼稚園・・・役員の無い園だったので0回
- 小学校
◆一般役員1年・・・学級委員 代表(くじ引きで決まる)
◆執行部員2年(くじ引きで決まる)
◆子ども会役員2年・・・子どもの人数分
子どもが2人いましたので、小学校は、計10年、在籍をしました。
そのうち、5年間を役員として過ごしました。
さらにその中の2年間のPTAの執行部は、くじ引きで決まってしまい、非常にハードな日々でした。
きこりの
だけど、この2年間の経験が、私の小学校生活を非常に有意義なものにしてくれたと思うし、現在の仕事にも役立っています。
PTA役員は、無報酬の仕事である
「PTAを無くそう」という議論が、昨今多く交わされています。
理由としては
- 仕事を休まなくてはならない
- 人間関係が難しい
- やることが多すぎる
など、様々ですが、結局のところ
「無償のボランティア」
という部分が大きいです。
昔と比べ、働く母親が増え、日中の役員会議の出席は大きな負担となります。夜も子供の習い事などで時間が限られている家庭も多いし、核家族がほとんどの場合、夜に子ども置いての役員会議出席は、現在のセキュリティ事情からみると、あまり勧められるものではありません。
会議のほか、役員のお仕事も、準備や実行など、多くのタスクを抱えます。しかし、それらの活動は「子供のため」という大義名分で、報酬が発生するものではなく、完全なるボランティアです。
きこりの
PTA役員に報酬を・・とオフレコで親同士で話が出たりしますが、金銭の話は表立って言いにくい(金に汚い人だと言われたくない)ということから、「子どものためのボランティア」と、長年続いているのが、PTA等の役員です。
きこりの
PTA役員の「部長」と「非部長」との違いを認識する
PTA役員と一言でいっても、「職務内容」は様々です。
まず大きな隔たりを生じさせるのが
「部長」と「部長出ない役員」との、「業務格差」です。
私は「部長」「代表」と名の付く立場になったのが2度ほどありました。
また、「執行部役員」の時は、多くの役員さんをまとめる立場になりました。
その時に感じたのが
- 「部長」と「部長ではない人」
- 「執行部」と「一般保護者」
という、立場による当事者意識の差ががどうしても出てくるということです。
「部長から外れたから、部長さんにお任せ!」という役員さんもいれば、
「一応部長さんだけど、私たちも一緒に回していきますね」という役員さんもいます。
また、一緒に活動をするメンバーによって、部長の負担が変わる、ある意味、恐ろしい世界です。
きこりの
部長さんなどの、仕事の負荷が高ければ高い人ほど、「誰が協力的で、誰がそうでなかったか」は、後々、いつまでも記憶に残るようです。
PTA役員はそれぞれキャパシティが違うことを知る
私が執行部にいたときに、一般のPTA役員さんたちと接して感じたことは
「お母さんにとってキャパシティが違う」
ということです。
例えば、書類1枚パソコンで作成するのに5分で済むお母さんもいれば、1日がかりのお母さんもいます。
また、人に会うのが得意なお母さんもいれば、そうでないお母さんもいます。
「役員会議に出席する」という行為だけで、非常に消耗するお母さんもいるのです。
どのような仕事をしているか否かも重要です。
抱えている仕事が、お休みが取りやすいか、取りにくいかは、お母さんがもっている仕事の環境によって変化します。
自営で美容院をされている・・などのお母さんが、平日のお昼に役員活動をすることは、利益の損失にもつながります。
その仕事の背景も理解する必要があるでしょう。
また、専業主婦のお母さんはヒマなのか?といえば、決してそうではありません。
仕事をしているお母さんより、子どもや家の仕事にかかる時間が多い場合もあります。
「仕事していないんだから、役員仕事できるでしょ」
というとらえ方はタブーであり、こういった、環境や認識の違いが、役員同士の軋轢を呼ぶことも珍しくありません。
ちなみに、私のような在宅のお仕事は、自由に時間を作ることができるものの、当然仕事をしない時間は報酬が発生しません。
イメージがわきにくい仕事への理解をすべての役員さんに求めるのは無理な話です。
大切なのは「役員それぞれ、キャパシティが違う」ということを把握し、それぞれのキャパシティ合った仕事を振り分ける。
そのうえで、お互いの立場を尊重し、「全員が当事者意識を持つ」そういう役員が多い場合は、うまく役員活動が回っていきます。
PTA役員活動では、自己管理と協調性を意識する
役員会議、行事等に向けての準備、各種連絡、こまごまと散らばったタスク処理。
大きな仕事から小さな仕事まで、PTA役員に与えられます。
シンプルに進んでいくか、複雑化するか・・・の違いは、それぞれの役員さんの自己管理力によって左右されます。
また、「協調性」の自覚の有無も重要なポイントです。
- 決められた期日までに仕事を終えない
- 個人プレーが激しい
- 役員活動そのものに非協力的
ストレスをためていく要因です。
そういった、PTA役員の共通の敵である「PTA役員の仕事」に、それぞれに武器で立ち向かうという認識があると無いのとでは、PTA活動の雰囲気も変わります。
PTA役員だからこそ、シンプルさを追求する
PTA役員は、一般的な仕事ではありません。
時には、仕事よりハードに感じる場面が多々あります。
ですので、社会人経験のある現在の母親たちにとって、「役員活動のシンプル化」は、必要かつ可能なスキルです。
- 無駄な会合を減らす
- 予定管理をオンライン活用する
- 返事を早めにする
- できること、できないことを明確化する
- 業務に偏りができていれば、フォローや感謝の気持ちを表す
きこりの
「役員終えたらフツーのママ」PTA役員をまとめる人こそ、謙虚さを備える
「役員をまとめる」立場になったときの心構えも、役員経験で学びました。
執行部役員になったときに
「執行部は、権限を与えられた存在ではなく、保護者の総意をくみ取り伝えるところ」
と、気づきました。
威圧的な指示や、勝手に重要事項を密室で独断するなどは、多くの保護者の信頼を失う行為になります。
私が担当した執行部は、全員くじ引きでしたので、役員活動に対しては、比較的「さめた客観性」を保つことができました。
きこりの
各役員さん、特に部長さんへの労り。
そして、ある程度の段取りを各部署で任せるという、信頼。
あくまで「仲介役」であると心得るだけで、執行部員の雰囲気も非常に良かったです。
「役員が終わったら、一般の保護者に戻る」
という心構えが必要だと感じました。
PTA役員活動では、「見返り」や「評価」を求めない
PTA役員は、あくまでボランティアです。
仕事内容のハードさの割には、当事者以外に伝わりません。
ですので、「自分は大変である」というアピールは通用せず、ただただ徒労に終わり、本人だけが報われない消耗を感じることとなります。
私も最初の頃は、「私は役員仕事をしている!」と意気込んでいましたし、わかってほしいと思うときもありましたが、回数を重ねると、役員以外の人にはまったく関係のないことであるとわかりました。
そして「ただただ、スムーズに終わらせる」ことを意識しました。
先ほどの「役員は権限を与えられたものではない」ということと共通します。
そこに自己評価も他者評価も入れず、「役員”仕事”をする」ということだけを心がけると、自然と無駄な意気込みや業務が減りますし、逆に、役員活動をしている人に対してシンプルに感謝ができますので、丸投げをしたり、放り出したりということが減ります。
時々、「見てくれている人」から声をかけられ、うれしくなったりもします。
そこで、役員同士の雰囲気の良さが生まれます。
PTA役員活動では、SNSの上手な使い方を意識する
PTA役員活動が成功するかどうかの8割を握っているのは、「人間関係」です。
役員活動のトラブルの多くは
「意思疎通の失敗」
で引き起こします。
私が初めて役員を引き受けた時、当時の連絡手段はメールでした。
そのうち、「グループでのメール」になり、さらに「LINEグループ」でのやりとりに変わっていきました。
子どものSNSの使い方は、小さいうちにこれでもかと叩き込まれますが、大人になって得たこのSNSツールは、無教育ですので、使い方をひとつ誤れば大きなトラブルになります。
役員連絡にLINEグループを使う場合
- スムーズな連絡手段をそれぞれ心がける
- 言葉遣いに気を付ける
- 未読のままにしたり、既読スルーをしたりといった、感情的な対応を避ける
- 人のうわさ話を入れない
- LINEグループの外では、できるだけやりとりをしない
- SNS八方美人にならない
などが求められるものの、これができない大人も多いです。
きこりの
PTA役員は友達ではなく、仕事仲間だと心得る
PTA役員は、そのあとに友達に変わっていくことも多く、私も役員を通じて仲良くなったお母さんは多くいます。
一方で、距離を置こうと思ったり、距離を置かれたりしたお母さんもいます。
一般的な「職場」と共通しているのは、「仲良しグループ」では、組織が回らないこと。
- 「PTA役員活動という名の、無償ボランティアの遂行」という、共通の目的を共有すること。その意識を全員で持つこと。
- 時間や精神的消耗、肉体的消耗を避けるために、工夫をすること。
- 個人個人が勝手な行動をしないこと。
- 不必要な子どもや親のうわさ話をしないこと。(必ず本人に伝わっています)
- どうしても、他所のお子さんや親御さんの話をする時は、伝わっても良い内容を話す。(お腹の言葉と口から出る言葉を一致させる)
- 基本的にそれぞれの心の中や家庭環境に深入りをしないこと
そうなると、非常に高度な人間関係スキルが求められることがわかりますし、だからこそ、こんな負担のかかるPTA活動の必要性が問われるのかもしれません。
PTA、役員はいらないのか?
累計7年間の役員を終え、昨今の
「PTA役員不要論」
について改めて考えてみました。
結論としては
「基本的に必要だが、不必要だと考えている人がいることを認めることが大切」
です。
答えになっていないかもしれませんが、役員活動に感じる負荷が「100」の人もいれば、「30」の人もいる。
「100」の人にとっては、20の仕事もキャパオーバー。
「30」の人は、20の仕事は、非常に容易に感じられます。
役員に対する考えも様々だし、人間的なスキルもまちまちです。
社会経験が豊富な人もいれば、人付き会いが苦手な人もいる。
PTA役員活動を通して、子どもたちの学校生活のサポートをすることは、ある程度の必要性があるものの、限りある時間を消耗するという意味では、今後は「負担を軽くするよう、いかに業務をシンプルにさせていくか」が求められます。
また、SNSなどのオンラインコミュニケーションを普及させるのであれば、大人たちへのSNSマナー教育も必要です。
まとめ:それでも、PTA役員をしたら得られるもの
以上、私の役員経験をお伝えしてきました。
PTA役員って、高いスキルが求められますね。
「やっぱり憂鬱だな」と感じる人もいるかもしれませんし、
「そんなに大変ならいらないよね」と感じる人もいるかもしれません。
仕事をしていても、していなくても、PTAに対する熱が高くても、低くても、それぞれの立場を把握し、乗り切ったあとに私たちが得られるもの、それは
「社会経験」
です。
多種多様な人間関係の中で、マルチタスクをこなし、組織とはなんたるかを知り、良いことも悪いことも経験し、最後までやり遂げる。
メンタルも鍛えられます。
そういったハードな経験は、必ず社会経験で生かされますし、今、女性の中で少しずつ増えている「ママさん起業家」を目指している人にとっても、無駄な経験にはなりませんし、むしろ活かされます。
きこりの
役員活動を正面から取り組み、やり切った人ほど、高い経験値が得られると信じて遂行してきました。
こうして記事にできてよかったです。
きこりの